誰かの誕生日

今日は、中学生の時すごく仲が良かった友達の誕生日だ。

 

中学2年生の時は親友だった。

 

移動教室は一緒に行き、毎日手紙交換をしていた。休み時間は2人でベランダに出て内緒の話をした。先生の文句を言い合っていたし、彼女が理不尽に怒られて悔しくて泣いたこともある。彼女の恋心の微妙な変化を、彼氏よりも知っていた。何十枚ものプリクラは未だに残っている。ケンカは一度もしたことがない。一瞬も嫌いになったことはない。

 

けれども、今は全く連絡をとっていない。

 

今どこに住んでいるのか分からないし、何をしているのかも分からない。

最後に会ったのはたぶん、成人式だと思う。

 

こうやって自然消滅してしまう友人関係が、過去にはたくさんある。

すごく仲が良くて、夜通し話していたような関係でも、連絡先も知らないことがある。

恋愛と同じで、友情だって、永遠とは限らない。

 

 

かつての親友との関係が終わってしまって、寂しいかと聞かれたら、全く寂しさはない。

それくらい、今の私にとって存在感は薄い。

 

でも、未だに誕生日を覚えているなんて、不思議なことだとおもう。

いつかとても大切にしていたことは、いつまでも忘れないのかな。

 

 

今日、おそらく日本のどこかで、

彼女は誰かに誕生日を祝われている。

 

13年前、少ないお小遣いの中から、ディズニーのメモ帳と少し高いシャーペンを買って彼女に渡した。それが私の精一杯のお祝いだった。

 

今日、彼女は、誰に何をもらうだろう。

 

私はもう親友じゃなくなってしまったけれど、

LINEすら送る関係じゃなくなってしまったけれど、

自分がいつか大切だと思っていた人が、どこかで幸せであるといいなと思う。