妊娠が発覚した時のことを残しておく

2019年7月 妊娠発覚

この時点でおおよそ妊娠5週目

 

昔から子供が欲しかった。結婚して1年と少し。とても嬉しかったけれど、どちらかというと驚きと戸惑いが大きかった。少し前に多量に飲酒したことへの後悔に苛まれた。

 

正直、自分が妊娠できると思っていなかった。

昔から生理不順があり、20歳の頃には高プロラクチン血症を指摘されていた。私の母親は、結婚してから長女である私を妊娠するまで7年かかっている。

なんとなく、自分も不妊症なんだと思っていた。若い頃から、子供を授からない覚悟をしていた。

今になってひとつ正解だと思うのは、大学生のころから低容量ピルを服用していたこと。本当にそれが良かったかどうかはわからないけれど、生理不順のままだったら、私の子宮はきっともっとサボっていたと思う。ありがとう、昔の自分。

 

まさか妊娠しているだなんて思っていなかったから、なんとなく吐き気がするのも、胃がむかむかするのも、飲酒の後遺症だと思っていた。さすがに1週間以上続いたので、おかしいと思って検査した。

妊娠検査薬をしたのはこれで人生3回目。

1回目、2回目は、まだ未婚で子供が欲しいなんて思っていなかったから、陰性で安心したことを覚えている。

3回目、自宅のトイレにて。仕事から帰ってきて夫に内緒でこっそり検査をした。わりとすぐに陽性の反応が出たので、なにかの間違いかと思った。信じられなかった。かなり動揺していたと思う。

どうしよう、夫に言うべきだろうか。

病院に行って確定してからがいいのだろうか。

トイレに10分くらい引きこもっていたから、夫は不思議に思っただろう。

いろいろ考えたけれど、自分だけで抱えられる心理状態じゃなかったので、結局すぐに夫に報告した。

 

「ねえ、妊娠したかも」

 

私よりも何倍もうろたえて、信じられない、受け入れられない夫の姿に笑ってしまった。

夫は、なんでそう思うのか、現実のことなのか、と私を問いただした後、近所のコンビニに強いお酒を買いに出た。

飲まなきゃやってられない、と。

 

夫のうろたえる姿を見て、私はだんだんと落ち着いてきて、妊娠したことへの喜びの感情が湧いてきた。

本当に妊娠することが出来ているなら、それはとても嬉しいことだ。まだ信じられないし戸惑いもあるけれど、私は母親になりたい。

私は、夫と一緒に親になりたい。

自分のお腹の中にいるのは、まだ人とも言えないようなものだろう。それがとても尊く感じるのだから不思議なことだ。

 

流産の可能性はまだまだずっと拭えないし、妊娠が発覚する今日までの間、お酒を飲んだ後悔があり、喜びの感情だけに浸ることはできなかった。

でも、妊娠出来たという事実がじんわりと嬉しい。

横で酔っ払い始めた夫が愛おしい。

家族でありたいと再確認する。

 

私はこの日から妊婦になった。

自分の身体を、こんなにも大切だと思ったことはない。貴重な1日。