4月1日の日記

 

母から「おめでとう」のラインが届いた。

その数秒後に、父からも同じ文章が届いた。

 

4月1日

 

私は一人で桜を見に行こうと家を出た。

家を出て曇りだと気づいた。思ったよりも気温が低くて肌寒い。桜を見に行くことを5分くらいで諦める。

桜はもう、来年でいいや。

雑貨を見て、生活に必要な食料を買って、本屋さんをブラブラして、また家に戻る。

いつも通りの休日。

家に帰って、映画を観て、お風呂にゆっくり入る。

ゆるい1日。

ひとりの休日。

 

4月1日

 

新しい元号が発表された。

令和

まだ慣れないけれど、なんだか良い響きだと思う。

私は今日が楽しみだった。

平成生まれなので、平成になった時のことを知らない。正直、元号なんて、なんだって構わない。

でも日本がお祭りのように騒がしくなるのは楽しい。

私は日本人だ。日本人はあと1ヶ月で、新しい時代を迎える。

 

4月1日

 

今日は結婚記念日だ。

去年の今日、入籍した。

去年の3月31日はNetflixでバチェラージャパンをオールで一気見した。4月1日の昼まで寝て、起きて、そして仮のプレハブみたいな渋谷区の庁舎に行き、婚姻届を出した。

今日よりも暖かい日だった。

その後千駄ヶ谷まで歩いてお散歩して、帰って来た。

入籍をしたこと以外、何も変わらない1日だった。

穏やかな、私の好きな日常だった。

 

 

この1年間、 思い返すと幸せだったと思う。

 

夫のことは穏やかに好きだ。

一緒に暮らす日々は完璧じゃないけど、

丁寧な暮らしとは程遠いけど、

友人みたいに楽しくて、昔から家族だったみたいに、自然な毎日を送っている。

 

支え合ってるとか、助け合ってるとか、愛し合っているとか、そんな感覚はない。

そんなドラマチックな映画になるような夫婦じゃない。

 

ただ、同じ家に住み、お互いの生活を見守り、たまにイラッとしたり、たまに笑いあったりしながら、存在している。存在し合っている。

私としてはそんな感覚。

 

結婚して1年だと言うと周囲の大人たちには、

今が1番幸せな時だね、

と、よく言われる。

 

そうなのだろうか。

それはまた、一年ずつ進んでみないと分からない。

 

いつか嫌いになる日が来てもおかしくないと思う。

一生の愛なんて、全く保証できない。

1日の中でも、好きだと思ったり、嫌いだと思ったりするんだから。

 

でも、それと同じくらいの確率で、

いつかもっと好きだと思う日が来るかもしれない。いつかドラマチックな出来事が起きて、助け合ったり、愛し合ったりする時がくるかもしれない。

 

とにかく、どんな未来が来ても、

お別れするまでは、今の夫と、毎日、互いの人生に存在し合いたいと思っている。

 

 

思えば4月1日は、入学したり、進級したり、就職したり、祝われることが多かった日だった。

両親が祝ってくれるなんて、今までも、今日も、これからも、素敵な日だと思う。

 

エイプリルフールで面白いなと思ってこの日にした。去年は大安だったから、この日にした。でも1年たって、また4月1日を迎えてみると、桜が綺麗に咲いて、新しい年度で、みんなが覚えててくれて、

いい日だなぁと思う。

 

 

夫は今日、出張でいないけれど、

ひとりで迎えた初めての結婚記念日も、何だかんだいい日だった。